食と暦 初夏の候  連休最後の日、ひさしぶりに三瀬ドライブへ出かけました。福岡の南、佐賀との境にある背振山へとつづく三瀬峠。映画「悪人」の空気とはちがう、のどかなところです。お昼ごはんは、いつもの精進料理屋のおそば。食事はもちろん、お部屋やお庭、あちこちで季節を味わえるのが楽しみなところ。春の苦みと薫りがからだいっぱい。緑が深まって、鮮やかな初夏へ  オオヤマレンゲ/ うつむきかげんに咲く真っ白な花。ゆるやかな曲線の葉。好い香りにうっとりの天女花  ひさしぶりにやってきても、いつも変わらない佇まい、あたたかさ。なんだか田舎に帰ってきたような気分。玄関の引戸に手をかけると、なにやら視線が。首の長ーいツルに乗ったカメちゃん2匹。尾っぽが赤米と白米、紅白でめでたいしめなわ。つぶらな瞳がかわいい昔話しみたいな藁飾りは、ご近所のおじいさんが作ってるそうです。  セッコク/ 樹や岩に着生する蘭。くっついてるけど自活してます。笑  ツクシシャクナゲ/ この季節、大輪のお花がお皿に乗ってやってきます。  ベニバナトキワマンサク/ 細いリボンみたいな花びらが風にひらひら  クリンソウ/ 花の輪が段々と重なる姿がお寺のてっぺんの「九輪」に似てるから  カルミアシャクナゲ/ 金平糖みたいなつぼみ  テッセン/ ベビーピンクにイエローがキュート  季節を五感で味わう精進料理。床の間がなんだかにぎやか。近づいてみたら、踊ってるよなお釈迦様トリオ。天上天下 唯我独尊 (てんじょうてんげ ゆいがどくそん)誰もが天上天下にただひとりの、誰にも代えられない存在ということ。自分を見つめる深い言葉だなぁ。見てるだけで愉快になってくるお釈迦様たち♪  桃太郎に一寸法師。端午の節句  精進料理を頂く最高のお部屋の窓辺の席に案内してもらいました。目の前ぜんぶ緑で、自然の中に溶けてしまいそう  春のお通しは木の芽が鮮やか、筍と揚げの煮物。  のど越しつるり、手打ち蕎麦。やさしい蕎麦の風味  五月はお庭のしゃくなげがカリッと厚い衣をまとってやってきます。春の味、ウドとこしあぶら、筍、魚のすり身大葉包み、たまご  そば湯をすする頃には、畳に根っこが生えてます。  小豆と芋餡、薄茶にほどける地の味  スギゴケ/ 杉の木みたいに真直ぐ伸びるコケから、にょきにょき生える胞子嚢(のう)。たまらなくかわいいちいさな世界  ムラサキサギゴケ  釣鐘水仙  イロハモミジ/ 陽に透かす萌葱色の重なり  クロバナロウバイ/ チョコレート色でフルーツみたいな甘い香り♪  お花、どうぞ摘んでいってね。と言ってくれたけれど、このお庭に咲いている姿がかわいいので、摘めない。これはすぐに芽が出るからとナツロウバイの種をちぎってくれました。枯れ姿もかわいらしい  上から見ると、スギゴケの小宇宙が広がっていました。星の合間に、胞子のちいさな惑星がちらばっています。  袋にころころ、旬のポンカン 甘くってジューシーで 三瀬の自然を思い出しながら お風呂上がりにぱくっ  大好物の、大根の醤油柚子漬けをおみやげに  わかさ農園に寄り道して、チーズと柚子、木の実のパンを。家で焼きなおすと、パンくずまで美味しくって、そうそう、この美味しさ♪としあわせになる。次はいづみさんの青い庭におじゃまするのが楽しみ♪