ぶらぶら不老部落  獣道みたいな山道をぐんぐんくねくね登った場所は、タイヤル族(泰雅族)の生活に触れられる、山に抱かれた集落でした。台湾の友人たちに、"お気に入りの場所に連れてって"と伝えて出発した今回の旅。MOGUのトムさんミミさん夫婦が計画してくれたのは「不老部落」。タイヤル族の言葉でブラブラ。日本語と同じ音と意味のぶらぶら。台湾島の山地のあちこちには、今も原住民族が暮らしています。福建の人が移民してくる前の大昔から住んでいるこの島の主。"先住民"ではなく、元々住んでいるという意味の「原住民」。農業や狩猟をして自給自足で山地に暮らしてきた民。山地の開発や出稼ぎ、若者がどんどんと街に移り住みはじめ、原住民の生活も変わったそうだ。異文化と交わって、民族独自の言葉や風習、自分たちの文化にもまた向かっている。原住民の事を知らないまま訪れた私には、自然とともに生きる生活が眩しい。唄や踊りが上手で、やさしくもてなし好き。人も動物もあるがまま暮らしている。布を織る。食物を育て加工する。家を造る。魂が宿っていて、知るほどに分かる彼らの素晴らしさ。今と生きている、原住民の新しい姿。  映像とデザイン、素敵な作品を作り出しているトムさんミミさん夫婦。セットでキャラクターになりそうなふたり  Booday開店前に出発!台湾のお店は昼頃開いて夜までやってます。  台北県〜宜蘭(イーラン)県にまたがる13kmの長ーい雪山トンネルを車で走ること1時間、小さな協会のある町に到着。チーチー‥‥見上げると電線に燕がいっぱい!  紅い吊り端を渡った向こう側が原住民の村。ジープが迎えに来てくれています。草木が生い茂るジャングルみたいな細い林道を左右上下にぐわんぐわん揺れながら探検隊気分で駆け登っていきます。道の途中にはほだ木の並ぶしいたけ栽培場。緑のトンネルがぱーっと開けたら幻みたいなゆったりのどかな集落に到着。  カラフルなエプロン姿で笑顔で迎えてくれたおかあさんたち。台湾の母はあったかでたくましい。レモングラス水をいただきながら、長い竹の棒の山猪肉を囲炉裏で焼きながらおしゃべり。こんがり焦げ目がついたらそのままかぶりつく。じゅわっとジューシーで濃厚な美味しさ!小米酒(粟のお酒)も出てきて到着早々いい気分♪  行きの森の中で見た椎茸、花生(ピーナッツ)や粟。陽をたっぷり浴びて、美味しさ増殖中♪カンカンと鳴らすと草むらから一斉にやって来る鶏たち。粟くずをついばむ、卵を産んでくれる鶏。食物連鎖ぐるぐる。昔からつづく暮らしはに知恵や工夫がたっぷり。山を切り開いて作られた田畑や池、いろんな建物が点在しています。  おばあちゃんは葉っぱの付いた麻の枝を竹で裂く。女の子たちは頭に巻く織り紐を、お姉さんお母さんたちは大きな木綿の布を織る。のんびりもくもく‥‥右左‥‥右左‥‥  竹を組んで作られた涼しそうな小屋  ねずみ返しの柱の高床式穀物倉庫  石と木と竹で作られたすてきな住居。空間がひとつにつながっていて、広々と快適な造り。漂流木を使った集会場。星空の下、火を囲み過ごす時間はすてきだろうな。この村を作ったお父さんは、街での生活をやめて、タイヤル族の奥さんや仲間といっしょに原住民本来の生活をよみがえらせたそうだ。古さと新しさ、両方の良いところが集まった暮らし。  テーブルには使い込まれて良い風合いのテーブルセンター。さっきの織物小屋で織られたもの。竹を削ったカップやカトラリーが並べられています。ウエルカムドリンクで出してくれた小米酒。粟を発酵させて作ったお酒。発酵具合で数種、料理にあわせて出してくれます。つぶつぶ気泡がのぼる小米酒。グラスを高く上げて「LOGA〜!」乾杯!甘くて爽やか、くいくいいける。地瓜(サツマイモ)チップと花生(ピーナッツ)をつまみながら、長い長い食事会のはじまり  苦瓜、小蕃茄(プチトマト)、過 (粘り気のあるわらびみたいな山菜)お皿の上は料理といっしょに花や葉っぱ、自然が山盛りです。  台湾の絲瓜(ヘチマ)はじゅるっと水水しくって大好物!  さっき薫製していた苦花魚(ほのかに花の匂いがするという台湾の川魚)。月桃の葉に包まった粟粽(ちまき)。燻した匂い、葉っぱの匂いがふわん  ギターと太鼓で唄ってくれた原住民の唄。お母さんたちの声は力強く響いて、山にこだましてうっとり。頬と頬をくっつけて一杯のお酒を飲み干す交杯酒。友の証 こぼさず飲むのはなかなかむづかしい!唄っては飲み唄っては飲み、ほっぺがみんな真っ赤っか  食べて飲んで唄って踊って、最後に頂いた竹筍湯(タケノコスープ) 薄味で、料理の〆にホッとする、胃にやさしいあったかスープ  唄を唄いながら臼で小米(粟)をぺったんぺったん みんなも参加してぺったんぺったん♪ 「あー!」おじさんが杵にくっつけて地面に落としてしまい、残りをみんなでちぎぎりちぎりつまんでぱくっ  噛めば噛むほど甘みが出てくる小米麻 (粟もち)  蜂蜜をつけるとまた絶品! 花の香りがふわりと口に広がっておいしい〜♪ 色、味、香、体じゅうで楽しむ料理  この土地を丸ごと豪快に食べた気分!  不老部落  1人1800元(要申込)  16歳以下入村不可  帰りに頂いた葉っぱの包み。 開くとあの粟のおまんじゅうでした。 思い出しながらぱくり。 あの村はどんな夜かなぁ 帰りの車内にぷーんと漂っていた花の香り 遊んで食べて、疲れてうとうと‥‥ 甘い香りの中、夢みたいな山での一日  3、400年前、先祖の霊が使わした一羽の小鳥が 
粟の種を運んで来たという。 ここに来た者しか味わえない小米酒 ここを思い出す深い味わい。 粟は原住民の生活の糧